Song Of The Wind
志貴皇子の秀歌と同じくらい大好きな春の歌、サンタナの四枚目のアルバム『キャラバンサライ』に収録された
『SONG OF THE WIND』、邦題は『風の歌』――
こちらは音楽、インストナンバーだ。
カルロス・サンタナが、春をイメージして作曲、演奏したのかどうかは知らない。
だけど、この曲を聴くたびに、私の胸のうちでは「のたり、のたりかな」という春の浜辺のシーンが浮かんでくる。
朝ぼらけ、波のおだやかな海から、太陽があわいブルーの色彩を従えて昇ってくる。
空の青、海の蒼が混然一体になる瞬間と、この曲のハイライトが重なる。
しかし、それは激烈な一瞬ではない。 何度も書くけれど、のたり、のたり、茫洋としている。 曙光は神々しいまでにまばゆく、頬にあたる風がほんわか、あたたかい。
サンタナの演奏で、『SAMBA PA TI(君に捧げるサンバ)』(アルバム『アブラクサス』収録)もマイ・フェイバリット・ソングだ。 こっちは真夏の海に、オレンジ色のギラついた太陽が、けだるい暑さを引きずりながら沈んでいくイメージが強い。
ま、勝手な私の思いこみでしかないのだが、チャンスがあれば聴きくらべてください。
私の最初の(そして、おそらく最後になるだろう?)結婚式では、オープニングに『SONG OF THE WIND』をかけた。
で、エンディングに『SAMBA PA TI』を流した。
ちなみに結婚式は四月下旬におこない、その数日後、私は二十六歳になった。
私がこの世とオサラバしたら、気の置けない方々、敬愛してやまない方々、本当にお世話になった編集者の方々に集まっていただきたい。
もちろん、そういう方々だから大人数にはならない。
私が愛飲した、うまい日本酒に盃を傾けながら、『SONG OF THE WIND』にも耳を傾けてほしい。
私は『SONG OF THE WIND』のような印象の人間になりたいが、おそらく最後まで『SAMBA PA TI』みたいな曲調のままだと思う……。
そして、この時には私の悪口をいわぬよう。 聞こえたら、すぐに棺桶のフタを揺らしますよ。
029
澤田酒造と「白老」をめぐって(下)
028
澤田酒造と「白老」をめぐって(中)
027
澤田酒造と「白老」をめぐって(上)
026
まったく新しいHP、ちっとも変らぬ増田晶文
025
奈良で、ころがる。
024
書き下ろし小説、増田晶文は悶絶。
023
出木杉クンとのび太
022
改めて、壇一雄。
021
『稀代の本屋 蔦屋重三郎』
ふたつめの「あとがき」020
おさけの「気」のご縁
019
マンガ『いっぽん!! しあわせの日本酒』コラボのお酒! 発売
018
FM PORT 「はずのみ」に出演 (にいがた県民エフエム)
017
マンガ「いっぽん!! しあわせの日本酒」連載スタート!
016
『エデュケーション』裏あとがき
015
北斎と歌麿、蕪村に若冲。
そして春町、政演。014
ポジティブ宣言
013
銘酒「笑福亭松喬」
012
大分紀行1「フグの至福」
011
スズメの親子
010
母と俳句
009
四の月
008
Song Of The Wind
007
四月に生まれて、春のこと
006
ビーがいた日
005
幼い兄妹
004
デュエイン・オールマンの追憶4
003
デュエイン・オールマンの追憶3
002
デュエイン・オールマンの追憶2
001
デュエイン・オールマンの追憶1
Design & Development by Timeoff.